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2025.9.24

鎌ケ谷市 モバイル端末を利用したごみ収集業務のデジタル化

千葉県鎌ケ谷市は、都心から25キロメートル圏内にありながら、「緑」と「賑わい」のある便利で落ち着いた街で、野菜と果樹等の都市農業が盛んで特に梨は県内屈指の生産地です。また、プロ野球球団の北海道日本ハムファイターズのファーム球場があり、市外からも多くの方が訪れています。また、市内には鉄道4線が乗り入れ、首都圏のベッドタウンとしても発展している鎌ケ谷市で、ごみ収集管理業務に「BizXaaS MaP」を導入いただきました。

市役所の問合せ窓口に、毎日寄せられる市民の皆さまからのごみ収集に関する多くのお問い合わせ。「いつ収集に来るのか」「回収漏れではないか」というお問い合わせも多く、BizXaaS MaP導入前、回答のための状況確認には、清掃事業者など複数の組織を経由する必要があり、1件のお問い合わせに対して多くの確認時間を要していました。しかし、モバイル端末を利用したごみ収集業務のデジタル化により、回答までの所要時間は大幅に短縮できました。

課題と導入効果

各ごみステーション(集積所)の収集状況がわからず、市民からの問い合わせ対応に時間がかかる
市役所のPC画面で各ごみステーションの収集状況とルート軌跡が分かるため、現場に確認することなく窓口で確認・回答が可能に。問い合わせ1件あたりの所要時間は 大幅に減少。
収集漏れがあった際、どの収集車に追加回収を指示すればよいのか判断が難しい
地図上に各ごみ収集車両のルート軌跡がリアルタイム表示されており、対象のごみステーションの近くにいる収集車両が特定可能に。スピーディーな指示連絡を実現。
お問い合わせいただいた市民の方が利用しているごみステーションの特定に時間がかかる
地図上で各ごみステーションとその使用世帯を紐づけ管理。住所を元に使用しているごみステーションの特定ができ、問い合わせ対応の質が格段に向上。

システム概要

システム概要説明図。ゴミステーションとその使用世帯を紐づけて住宅地図上で一元管理。車両の位置情報を取得し、走行軌跡をリアルタイムに確認可能。収集済み/未のステータス変更は自動判定、スマホ操作不要で作業負担を軽減

「ごみステーション管理システム」

自治体にて管理されているごみステーション(集積所)やその使用世帯を住宅地図上で一元管理できるサービスです。ごみ収集車両の位置情報も管理でき、ごみの収集状況を自動判定します。ごみ収集車両がどこをどのように走行しているのか、ごみの回収はいつ・どこまで完了しているのか、を地図上で視覚的に確認できるため、収集事業者だけでなく、市役所やクリーンセンターなどで市民の皆さまからの問合せに対応する際にも有効活用いただけます。

導入事例資料

導入事例ダウンロード

選定理由

【要望に寄り添った柔軟なカスタマイズ力】

ごみ収集管理業務のあるべき姿は、「ごみの収集漏れを無くすこと」「市民の皆さまからの問い合わせに迅速に回答すること」が大事でした。そのためには、単純にごみステーションを地図上で管理するだけではなく、収集状況まで可視化することが必要です。一方で、収集状況の登録のために収集作業員にシステム登録をお願いすることは、手間が増え、ごみ収集効率が悪くなってしまいます。そこで、作業員がスマートフォンを携帯しておくだけでGPS情報から位置情報を取得し、その軌跡から収集状況を自動判定する仕組みを構築しました。これにより作業員は、作業中にスマートフォンを取り出したり、システム上で決められたルートを走行したりといった必要もなく、通常どおりの業務を行いながら、収集状況の可視化を実現しています。

システムの仕様ありきではなく、業務内容と現在の業務課題をヒアリングし、「業務のあるべき姿」を検討、提案する姿勢が評価できました。

【業務に合わせたカスタマイズを行った上での短期導入の実現】

旧システムのサポート終了が迫る中、短期間で開発可能であったことも採用の決め手の一つでした。今回、BizXaaS MaP物件管理サービスをベースに、ごみ収集車の軌跡表示・収集判定機能を含め、いくつかのカスタマイズを行ったのですが、契約から5か月間でリリースできたため、システムの切り替えに間に合わせることができました。

【市役所・クリーンセンター・収集事業者で共同利用可能な地図クラウドシステム】

自治体のごみ収集業務は、市役所と収集事業者、クリーンセンターなど、複数の関係者が連携して実現しており、管理システムも複数の利用者が共同利用できなければ十分な導入効果を発揮することができません。そのため、市民からの問い合わせ窓口となる市役所はもちろん、収集事業者、クリーンセンターの3者で、適正な権限管理の下、利用できるシステムであることが必要でした。BizXaaS MaPは共同利用が可能なことはもちろん、各ごみステーション情報の管理については、市役所担当者のみに限定するなど、業務に合わせた権限管理ができる点も採用を決めたポイントです。

導入効果

①迅速な問い合わせ対応による市民サービスの価値向上

本システムの導入により、市役所側のごみ収集に関する問い合わせ対応スピードが向上しました。

システム導入によって、各ごみステーションの収集状況や、収集車のルート軌跡が可視化されたことにより、現在は電話越しですぐに回答ができるようになっています。地図上には、それぞれのごみステーションを収集した時間も記録されているため、「いつ回収したのか」「市民の方がごみを出された時間よりも、回収が前なのか後なのか」などを確実に答えることができるようになり、トラブルの防止にも繋がっています。

また本システムでは、さまざまな検索方法が可能となっていることも問い合わせ対応がスムーズに行えている理由の1つです。

②共同利用型のシステムを最大限活用し、現場業務を効率化

本システムの活用シーンは、市役所窓口での対応だけではありません。収集事業者やクリーンセンターからも収集状況が確認できます。そのため、市民からの問合せによる指摘がなくても、収集事業者側で自発的に収集漏れがないかを確認することができるようになりました。従来は収集漏れがあった場合、市民→市役所窓口→収集事業者→作業員の順で連絡を行う必要があり、さらに収集車の位置情報もわからなかったため、どの作業員に連絡すればよいかも判断できませんでした。また収集後も、作業員→収集事業者→市役所→市民の順に連絡を行って収集完了の報告をする必要があり、多くの時間を要することもありましたが、現在はそのようなことは少なくなっています。

市役所での問い合わせ対応に活用できるだけでなく、市役所・収集事業者・クリーンセンターなど、それぞれが市民サービスの向上を図れています。

③スマートフォンアプリを活用し、独自の市民サービスを強化

鎌ケ谷市では、自らごみを出すことが困難で、ごみ出し支援を得られない高齢者や障がい者などの方を対象に、収集業者が戸別に収集を行い、ごみ出しの負担や不安などを軽減し、安否確認も併せて行う「鎌ケ谷市ふれあい収集事業」を行なっています。

この事業に対しても、本システムを活用し、作業員が利用するスマートフォンアプリ内に、ふれあい収集用の登録ページを設けることで、「収集完了」報告が行えるようになっています。このシステムにより収集事業者と市役所が連携して、市民の生活支援サービス向上に活用できています。

今後の展望

「蓄積データの高度な分析活用へ」

システムには熟練作業員の方々のノウハウである走行データが蓄積されているため、このデータに当日の曜日や天候データ、道路の混雑状況を組み合わせて分析することで、経験の浅い作業員や急な担当者変更に対して、走行ルートのサジェスト機能などを構築することも可能であると考えており、人手不足が課題となっているごみ収集業務において、ノウハウ継承にも役立てることができると期待しています。

NTTデータよりコメント

今回、鎌ケ谷市、鎌ケ谷市清掃事業協同組合、柏・白井・鎌ケ谷環境衛生組合の共同でご導入いただいた「ごみステーション管理システム」は、あらゆる自治体に対してパッケージ商品としてのご提供が可能です。

この記事をご覧になってご興味を持っていただけましたら、本事例のご紹介やパッケージ商品説明なども可能ですので、「問い合わせフォーム」よりお気軽にお問い合わせください。

BizXaaS MaP

BizXaaSMaP は、NTTデータが提供するクラウドサービスです。ゼンリン住宅地図をはじめ各種地図や衛星・航空写真、都市計画図、地価情報などさまざまな位置情報コンテンツとアプリケーションをラインナップし、多様な業務に対応いたします。

BizXaaS MaP説明図。

BizXaaS MaPについてはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/bizxaas_map/

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