

課題と導入効果
「Location Manager」導入経緯
Location Managerの導入に至る背景や課題を教えてください。

津田氏
オリックス銀行は投資用不動産ローン事業を主力事業として成長してきた銀行です。
投資用不動産ローン事業では、物件そのものの品質だけでなく、周辺エリアに関する情報までも含めた知見が必要です。
以前から投資用不動産ローンに注力してきた当社には、その知見を持ったベテランが数多く所属していました。
ただ近年、ベテランが持つ知識やノウハウを若手へ継承することに難しさを感じていました。
以前は主に口頭、つまり直接話して伝える行為に依存していたのですが、技術革新、業務のデジタル化という時代の変遷もあり、仕事の形がかなり様変わりしてきました。
そしてデジタル化や分業化が進んだ結果、知識やノウハウの希薄化が生じているのではないかと危惧していたのです。
ローン事業の担当者には、どのような知識やノウハウが求められるのでしょうか。

津田氏
物件は一つ一つ条件が異なり、建物以外の要素だけでなく、周辺の環境によっても違ってきます。
例えば災害リスクや嫌悪施設の有無なども不動産の価値に影響を及ぼすことがあります。
「このエリアのこの物件は注意が必要だ。慎重に扱う必要がある」というような情報はベテランから口頭で伝えられてきたものでした。
赤羽根氏
これらの問題を解決するには、物件の情報やエリアの雰囲気、治安といった情報を共有、集約、蓄積し、若手に継承するためのソリューションが必要です。
そこで導入に踏み切ったのが、Salesforce上でシームレスに地図データを利用できるサービスLocation Managerでした。
ベテランと若手のギャップを埋めてくれることをLocation Managerに期待されたわけですね。
赤羽根氏
不動産事業において地図は切っても切り離せない関係にあります。
例えば融資した情報がリストで一覧になっていたとしても、住所を見ただけでは「その物件がどこにあるか」「最寄り駅はどこか」というような情報は頭に入ってきません。
しかし、地図上で可視化すれば瞬時にわかります。それこそが地図を使う最大の理由です。
「Location Manager」選定理由
システムの面ではどのような課題があったのでしょうか。
赤羽根氏
以前から物件情報を可視化するという地図システムを導入していたのですが、データベースとは独立した別のシステムとなっていました。
そのため、融資の状況を確認する際は、複数の画面を行ったり来たりしなければならず、情報を整理するときにもデータベースから地図に転記しなくてはいけないという作業効率の悪さも課題でした。
Location Managerを選定する上で評価した点をお聞かせください。
赤羽根氏
採用した最大の要因は、やはりSalesforceに組み込める地図サービスであった点につきます。これにより、データベースと地図の一体化が実現できます。
また導入費用も非常に安価で、構築までのタームが短く、NTTデータにコンサルティング的な立場でサポートをいただける点も高く評価しました。
オプションでゼンリンさまの最新の住宅地図が利用できる点もメリットの一つです。
また、もともと若手や経験の浅い担当者に地図に触れる機会を増やしてもらいたいという狙いもありましたので、「得たい情報にすぐにたどり着ける」という操作性は特に重視しました。
「Location Manager」導入効果
実際にLocation Managerを使ってみた評価はいかがでしたか。
赤羽根氏
操作してみたときの第一印象は、まず非常に使いやすいこと、そして動きがスムーズだったことに驚きました。
以前、私たちが利用していた地図サービスとも比べて格段に動かしやすかったので、非常に高く評価しています。
Salesforceの画面内にLocation Managerの地図を見られるので、ユーザーはさまざまな情報にひとつの画面で包括的にアクセスできます。
そのため、情報の検索性や操作性が非常に上がり、過去に融資した物件情報を検索するプロセスが大幅に削減できると期待しています。
またLocation ManagerはUIのカスタマイズ性に優れており、物件情報を検索するときの条件も私たちの思い通りにカスタマイズができます。
例えば、最寄り駅、竣工年月、融資を実行した年度など、さまざまな条件でのクロス検索も可能です。
融資の判断などの精度向上も期待できるものでしょうか。
赤羽根氏
地図上で周辺エリアにあるさまざまな施設が視覚的に見えるのと同時に、周辺環境に関するコメントも付け加えられるようになりました。
この機能を利用すれば、口頭で伝えなくとも、物件の価値に関する判断ができます。
今後の展望
これからの展望をお聞かせください。
津田氏
不動産というものは、エリアと物件だけで評価しがちです。
しかし本来の不動産は一つ一つが異なり、隣同士の物件でも築年数や仕様、管理状態によって違いがあります。
そういった不動産情報を蓄積していけば、価値ある情報資産として成長させていけると思っています。
赤羽根氏 今後はさらに、私たちが蓄積している不動産の情報以外にも、外部の不動産情報、売買物件の情報、賃貸物件の情報などを連携させ、不動産の価格や賃料の妥当性をより深く検証できるようなシステムの構築を目指していきます。
津田氏
NTTデータにはご協力をいただき、大変感謝しています。
不動産に強いコンサルティングバンクを目指す上で重要な「不動産に関する情報の蓄積、活用」をSalesforceとLocation Managerを使って実現していきたいと思っています。
NTTデータよりコメント
「Location Manager」は、ゼンリン住宅地図データをSalesforce上でシームレスに利用できるサービスです。
ブルーマップ、用途地域、相続税路線価などのゼンリン社コンテンツも利用可能で、住宅地図をベースにワンクリックで重ね合わせでき、物件と顧客情報を地図に紐づけた形で管理することができます。
Salesforceに地図業務を統合して業務の生産性や質の向上を期待するすべてのお客さまに最適なサービスです。
企業紹介
オリックス銀行株式会社(1993年設立)
投資用不動産ローン事業などを主軸に成長を続ける金融機関。
サステナビリティを基軸とした運営をしつつ、長年の運営で培った知見によるファンドの厳選や、AIを活用したキャッシュフローシミュレーターなどを提供することで、利用者から「選ばれ続ける銀行」であることを目指している。
URL:https://www.orixbank.co.jp/


BizXaaS MaP Location Managerについてはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/bizxaas_map/location-manager/