AIとBPOを組み合わせた資料作成支援モデルの実証を開始
~資料作成の“ラストワンマイル”をAIと人で支援~
トピックス
2026年3月31日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、金融機関のお客さまである幅広い企業のDX推進に取り組んでおり、業務プロセス全体の変革に向けてAIをはじめとするデジタル技術の活用高度化を進めています。こうした取り組みの一環として、2025年4月より試行提供しているビジネススライドの資料作成代行BPOサービス注1(以下、本サービス)において、当社開発のAIサービス「LITRON® Sales(読み:リトロンセールス)」注2を活用した資料作成支援モデルの実証実験を2026年4月より開始します。本実証では、論点整理や構成検討、ストーリー設計といった資料作成の上流工程にAIを適用し、依頼内容を明確化した指示書として生成します。これをBPO工程へ連携することで、依頼時の整理負荷や認識ギャップを低減し、業務効率化と資料品質向上の両立を図ります。
既存BPOサービスは、依頼企業が自ら資料を作成する場合と比較して約30%~40%程度の業務時間短縮を実現していましたが、上流工程のAI化により約40%の追加削減を見込んでおり、最大70~80%の効率化実現を検証します。NTTデータは、AIによる資料作成の完全自動化を見据えつつも、ビジネスの現場で正確かつ効果的に伝える品質に仕上げる最終工程、いわゆる「ラストワンマイル」においては、専門人財の知見や技量、人の感性・表現力、文脈理解を生かした関与が資料品質の向上に効果的であると考えています。AIと人の強みを組み合わせた活用により、オフィスワーカーの生産性向上やより付加価値の高い業務へのシフトを実現し、企業のDX推進に取り組みます。
背景
NTTデータは、金融機関のお客さまである企業に対し、DXの浸透や生産性向上を通じた持続的成長の支援を目指していますが、これらを実現するためには、業務プロセス全体を通じたAI活用の高度化が重要であると認識しています。しかしながら、多くの企業における生成AIの活用は、自然言語検索や要約などの限定的な用途にとどまり、業務プロセス全体の高度化や成果創出に十分結びついていないことが課題となっています。
NTTデータは株式会社Timewitch注3(以下、Timewitch)と協業し、Timewitchの専門人財と制作ノウハウを生かした資料作成代行BPOサービスを2025年4月より試行提供しています。本サービスはTimewitchが抱える海外在住日本人デザイナーの時差を活用した制作体制により、24時間以内に高品質なビジネススライドを制作できる点を特長としています。
一方で、制作前段階で必要となる「依頼内容の整理」「構成検討」「論点の言語化」などの資料品質を左右する思考・検討工程は依頼者側の負荷が高いことや依頼意図が十分に整理されないまま制作工程へ連携されることで、完成資料との認識にギャップが生じるケースも見受けられました。こうした課題を踏まえ、今回の実証では、資料作成業務の上流工程をAIで支援する新たなモデルの有効性を検証します。
実証実験の概要
本実証では、営業領域のAIノウハウをフルスタックで有する「LITRON Sales」のうち、コンサルティング機能、システム導入機能、開発機能を活用し注4、本サービスの仕様に合わせてチューニングしたAIエージェントを資料作成の上流工程に適用します。具体的には、依頼段階で、依頼者が望む資料の目的や条件についてAIエージェントが思考の言語化を支援します。続いて、依頼者の入力情報を基に論点の抽出と構造化を行い(論点整理)、ページ構成案を生成します(構成検討)。最後にメッセージの精緻化と論理展開の設計を行い(ストーリー設計)、定型フォーマットの指示書として出力します。生成された指示書をBPO工程へ連携することで、依頼者と制作者間の認識ギャップを抑制できます。また、文脈理解や表現調整、図解設計やレイアウト最適化などいわゆる「ラストワンマイル」に該当する工程では、資料作成代行BPOで培った運用知見をAIエージェントに反映させることで、ビジネス現場で実用に耐える品質を確保します。
既存のBPOモデルでは、依頼企業が自ら資料を作成する場合と比較して約30~40%の工数削減を実現していましたが、上流工程のAI適用により追加で約40%の削減を見込んでおり、最大で70~80%の効率化実現をめざします。
実証期間および検証項目
- 期間:
- 2026年4月から2026年6月末
- 検証項目:
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- 資料作成BPOサービスに適合したAIエージェント実装による効果測定
- AIエージェントのユーザビリティーおよび実務適合性の評価
- AIエージェントを組み込んだサービスモデルの具体化
図:AIの成果を最大化する人による“ラストワンマイル”の価値
今後について
NTTデータは、本実証を通じて、資料作成業務におけるAIエージェント活用の有効性および実務適合性を検証し、利用者の生産性向上と業務品質を両立するサービスモデルの確立をめざします。実証期間中に得られた知見や利用者のフィードバックをもとに、AIエージェントの精度向上やユーザビリティー改善を継続的に進めるとともに、資料作成代行BPOサービスとの連携をさらに高度化します。
今後は、AI×BPOにより企業の中核業務の生産性向上と高付加価値化を実現するとともに、金融機関のお客さまである企業をはじめとする当社の顧客基盤への展開や、当社プラットフォームとの連携を通じた提供拡大および業務への実装を推進していきます。
NTTデータグループが描くAI活用の未来
NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。
注釈
- 注1 資料作成代行BPOサービスは、依頼から24時間で高品質なビジネススライドを作成するBPOサービスです。https://ebn.nttdata.com/lp/mms
- 注2 LITRON Salesは営業領域に特化したAIにおけるコンサルティングから実装までを行い営業活動の高度化・効率化をサポートするフルスタックサービスです。https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/litron-sales/
- 注3 株式会社Timewitch(タイムウィッチ)は、世界各国の時差を活用し、日本のクライアントの営業時間外に業務(主にスライド作成・資料作成・デザイン・動画制作など)を完了させる、タイムゾーンビジネス企業です。https://corp.timewitch.jp/
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注4
今回活用した「LITRON Sales」のコンサルティング機能、システム導入機能、開発機能の概要と本実証での役割は以下の通りです。
コンサルティング機能:検討対象の課題・業務のAsIs(実態)/ToBe(あるべき姿)の整理とコンセプトを決定し、解決手段を具体化する機能です。本実証では、サービス要件を踏まえ、AIを組み込んだ業務プロセスの設計(To-Be策定、業務フロー/要件整理)に活用しました。
システム導入機能:プロジェクトに合わせたAIエージェント開発プラットフォームやLLM(大規模言語モデル)を導入するためのサポート機能です。本実証では、プロジェクト要件を踏まえ、AIエージェント開発プラットフォーム/LLMの選定、利用環境整備、セキュリティ担保のために活用しました。構築した環境はデータ漏洩対策を施しセキュアに利用可能です。
開発機能:導入したプラットフォームを活用し、プロジェクト側の要件に合わせアジャイル開発を行う機能です。本実証では、AIエージェントの実装と、サービスに適合させるためのエージェント機能の反復改善(ワークフローごとのプロンプトの検証→改修等)を推進するために活用しました。
- 「LITRON」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。サービスラインナップの詳細は下記サイトをご覧ください。
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/litron/ - 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの米国、英国、欧州連合および日本国内における登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
e-ビジネス事業部
インダストリビジネス担当
E-mail:create_documents@hml.nttdata.co.jp
TEL:03-5484-4321