税理士を起点に中小企業の財務基盤強化を支援する新サービス開始
~「達人®シリーズ」と連携し、税務を起点とした財務改善を標準化、地域経済の持続性向上へ~
トピックス
2026年3月30日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2026年6月より、税理士事務所向けに中小企業の財務基盤支援を強化する財務コンサル支援サービス「財務のみかた™」(以下、本サービス)の提供を開始します。
2025年の全国企業倒産件数は12年ぶりに1万件を超えました。物価上昇や人手不足、金利上昇の影響を受け、中小企業の資金繰り環境は厳しさを増しています。本サービスは、税理士が保有する電子申告ファイルを活用し、顧問先企業の財務状況の可視化から課題抽出、改善策提示までを自動出力するクラウドサービスです。利用している会計ソフト・税務申告ソフトに依存せず、税理士事務所の環境に合わせて利用できます。決算・税務申告という全顧問先で必ず発生する業務を起点とすることで、継続的な財務対話を可能にし、資金繰り悪化や債務負担の増加などのリスク兆候を早期に把握できる体制を構築します。これにより、地域経済を支える中小企業の財務基盤強化を後押しします。
提供開始にあたっては、税理士事務所約13,000所が利用する「達人®シリーズ」の導入事務所などを含む既存顧客基盤を活用し、全国の税理士事務所への展開を進めます。今後、AIを活用した機能のさらなる高度化や金融機関や公的機関などとの連携も視野に入れ、税理士をハブとした中小企業支援のエコシステムの構築をめざします。
背景
国内企業の99.7%注1を占める中小企業では、物価高や人手不足に加え、「金利のある世界」への移行により資金調達環境が変化しています。実質無利子・無担保融資の返済本格化も重なり、平時から財務基盤を強化する必要性が高まっています。2025年の全国企業倒産件数は10,261件となり、12年ぶりに年間1万件を超えました。注2
多くの中小企業では、専任のCFOや財務担当者を配置することが難しく、財務戦略の立案や資金繰り管理を経営者自身が担っているのが実情です。その中で、決算・申告業務を通じて企業の財務情報を継続的かつ網羅的に把握している税理士は、経営状況を最も理解している外部専門家の一人です。金融機関が融資時点での情報を中心に評価を行うのに対し、税理士は日常的な業務を通じて企業の実態に即した助言が可能であり、中小企業にとって身近で継続的な財務支援の担い手として重要な役割を果たしています。注3
一方で、税理士事務所では税務業務が中心となり、財務コンサルティング領域へ展開する仕組みが十分ではありません。くわえて、会計クラウドや生成AIの普及により税務業務の自動化が進む中、税理士には顧問先の経営課題に踏み込む経営支援領域への業務拡張が求められています。
こうした構造的課題を踏まえ、NTTデータは、税理士を起点に中小企業の財務改善を加速する仕組みを構築します。
図1:本サービスのコンセプト
概要
本サービスは、税理士が保有する電子申告ファイルを活用し、財務状況の可視化から課題抽出、改善策提示までを自動出力するクラウド型サービスです。インストールは不要で、インターネット環境があれば利用できます。決算・税務申告という全顧問先で必ず発生する業務を起点とすることで、追加資料の作成負担を抑えながら、申告直後から財務分析を開始できます。これにより、特定の専門人材に依存せず、税理士事務所全体で全顧問先への財務支援を実施できる体制を構築します。
電子申告ファイルから財務課題と対策を自動出力、全顧問先支援を標準化
決算・税務申告時に作成する電子申告ファイルを登録するだけで、企業の財務分析、課題抽出、改善に向けた対策提示までを自動出力します。申告という全顧問先で必ず発生する業務を起点とすることで、特定の担当者に依存せず、税理士事務所の全職員が全顧問先に対して財務分析結果を展開できる環境を整えます。これにより、従来は一部の専門人材に限られていた財務コンサルティングを事務所全体の標準業務へと引き上げ、顧問先企業との継続的な財務対話を可能にします。
バランスシート(貸借対照表)を軸とした財務分析と実効性のある対策提示
多くの中小企業では、経営判断が売上や利益に偏りやすく、運転資金の増減や借入余力などの資金繰りを左右する財務構造の分析まで十分に行き届かないケースがあります。これらは金融機関が企業評価や融資判断において重視する要素でもあります。本サービスは、バランスシートを起点に資金余力・不足要因を構造的に整理し、利益改善に加え、資産活用や資本・負債の最適化を含めた対策を提示します。これにより、短期の収益改善にとどまらない持続的な財務基盤の強化を支援します。
導入から定着までを支える運用サポート
財務分析に不慣れな方でも活用できるよう、各種マニュアルや利用ガイド、ヘルプデスクに加え、学習用の研修動画や顧問先向け説明資料などを提供します。これにより、円滑に本サービスを利用できる環境を整備し、導入から運用定着までを継続的に支援します。
図2:本サービスの画面および自動出力レポートイメージ
今後について
NTTデータは、本サービスを通じて税務を起点とした財務支援の標準化を推進します。今後は、活用を通じて蓄積される財務データや改善事例をAIで分析し、財務診断および対策提示の高度化を図ります。さらに、金融機関や公的機関などとの連携注4も視野に入れ、税理士をハブとした中小企業支援の経営基盤を支えるデータ基盤へと発展させます。
NTTデータは、税理士向け事業全体の成長を加速させることで、本サービスを通して、2030年度までに累計35億円規模の売上創出をめざします。
注釈
- 注1 2025年版「中小企業白書」参照。
- 注2 株式会社帝国データバンク『倒産集計 2025年報(1月~12月)』の調査によると、2025年の全国企業倒産件数は12年ぶりに10,000社以上となり、その多くが資金繰りや資金調達に苦慮する中小企業であるとされている。
- 注3 中小企業庁『経営改善計画策定支援事業』において、認定支援機関である税理士は、単に税務業務を実施するのではなく、中小企業における最も身近な伴走者として、財務情報に基づいた実効性のある計画を策定し、その実行を支える存在であるべきだとされている。
- 注4 金融庁『地域金融力強化プラン』において、地域金融機関は人材やノウハウといった自金融機関のリソースにも鑑みながら、中小企業活性化協議会といった支援機関や、税理士や弁護士といった外部専門家と適時適切に連携していくことが望ましいとされている。
- 「財務のみかた」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- 「達人」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
本製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
イノベーション創発室
柿沼、土屋、羽田
E-mail:zaimunomikata_idg@hml.nttdata.co.jp
「達人シリーズ」に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三公共事業本部
デジタルプラットフォーム事業部
第三システム統括部
第三営業担当
高橋、山口
E-mail:tatsuzin-info@am.nttdata.co.jp