業界初、銀行保険窓販の契約締結前交付書面の電子化を実現

~顧客利便性の向上と業務コストの削減を両立する保険募集業務のデジタル化~

トピックス

2025年9月5日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、株式会社池田泉州銀行(以下、池田泉州銀行)、第一フロンティア生命保険株式会社(第一フロンティア生命)、T&Dフィナンシャル生命保険株式会社(T&Dフィナンシャル生命)と連携し、銀行による保険募集業務において「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」の電子交付を可能とするサービスの提供を開始します。本サービスは2025年9月8日より池田泉州銀行にて先行導入され、同行は銀行保険窓販(対面募集)における「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」の電子交付を初めて実現する銀行となります。これにより、保険募集手続きのさらなるペーパーレス化が進み、銀行の保険募集担当者の業務効率向上および顧客体験の向上が期待されます。NTTデータは今後、保険窓販を行う他金融機関や保険会社への展開を進め、銀行による保険募集業務の完全デジタル化を目指してさらなる事務効率化に貢献します。

背景

NTTデータでは銀行の保険募集業務向けに、タブレット端末やパソコンを用いた提案・申込手続の電子化サービスを2017年より開始し、保険窓販フロントゲート®/保険会社共同ゲートウェイを通じて現在約70ユーザーへサービス提供しています。NTTデータは、保険募集に係る事務負担の軽減や利便性向上を図るため、リモート募集(対面非接触)の活用による「完全デジタル化」について、銀行および保険会社に働きかけを行うことにより取り組んできました。
「完全デジタル化」への取り組みの一環として、2023年11月には、保険料振込手続のペーパーレス化サービスを開始し、紙伝票記入や営業店での処理といった負担軽減などにも取り組み、銀行による保険募集業務の電子化を推進してきました。しかしながら、銀行による保険募集業務においてお客様へ交付する法定書面である「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」は、法令上書面交付が原則となっており、保険募集手続きの中で唯一紙ベースでの提供が継続されていました。そのため、銀行の保険募集担当者による書面事前準備・携行負担、商品改定などに伴う書面差し替えの作業負担などが業務上の課題となっていました。一方、金融商品取引法等の改正により、書面交付を原則としていた情報提供媒体について、電子交付に関する規定整備が進展したことにより、金融業界では電子交付による大幅な業務効率改善が期待されています。
今回、NTTデータは池田泉州銀行や複数の生命保険会社と協議を通じて、電子交付の実現に向けたシステム対応を提言し、第一フロンティア生命をはじめ保険会社では実現方法立案から法令の確認までを一貫して行い、キットレス検討協議会を開催しました。その後、システム面・業務面などの協議結果を踏まえ、電子化に向けた共通仕様の調整や既存システムを生かした機能拡張などを実装し、このたび、業界に先駆けて商用での提供開始に至りました。

サービス概要

本サービスは、銀行による保険募集業務において、これまで書面交付していた「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」をタブレット端末上での手続きにより、電子的に顧客に交付するものです。これにより、銀行の保険募集担当者はタブレット端末1台で提案から契約申し込みまでのすべての手続きを完結できるようになります。また、銀行の保険募集担当者による書面事前準備・携行負担、商品改定などに伴う書面差し替え作業の削減が可能となり、提案活動時間の拡大が見込めます。加えて、電子交付により、交付漏れ・差し替え漏れといったリスクの低減にも寄与します。池田泉州銀行では、本サービスの導入により、募集キット準備・差し替え等の業務が年間約3,900時間削減するなどの成果が見込まれます
顧客にとっては「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」をスマートフォンなどからいつでも閲覧できるようになることで、書類紛失のリスクや保管の負担軽減など利便性向上が実現します。また、保険会社では「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」の印刷・配送の削減によるコストメリットが生まれます。その効果を新たな顧客サービスの企画や品質向上施策に充てることで、さらなるお客さまサービス向上に努めます。

図1:「契約締結前交付書面(契約概要/注意喚起情報)」の電子交付における相関図

今後について

NTTデータは、本サービスを当初から提言していた「保険募集手続きの完全デジタル化」に向けた重要なステップと位置づけ、今後も保険会社との連携を強化しながら、他の金融機関・保険会社への展開を進めます。
本サービスの提供が開始することで、リモート募集(対面非接触)の活用が実現し、「完全デジタル化」が可能となります。「完全デジタル化」により、顧客は対面やオンラインなど意向に沿ったチャネルを自由に選択でき、銀行の保険募集担当者の準備負担も大幅に軽減され、より提案活動に集中することができる業界環境の実現を目指して取り組みます。また、今後もNTTデータでは、”提言・実装・成果”を保険業界・銀行業界へ働きかけ業界全体の業務効率化と顧客価値の向上を支えるソリューションの提供を通じて、業界全体のデジタル変革とSDGs達成への貢献を目指していきます。

図2:SDGs貢献と保険業界/銀行業界双方の効率化 推進スキーム

注釈

  • 池田泉州銀行における提携保険会社が電子交付対応した場合の試算に基づく削減見込みです。
  • 保険窓販フロントゲート®は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

サービスに関するお問い合わせ(金融機関)

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
デジタルバンキング事業部
デジタルチャネル統括部
チャネルソリューション担当
岡本、富永、常山
TEL:050-5546-9642
E-mail:gr_hrok@kits.nttdata.co.jp

サービスに関するお問い合わせ(保険会社)

第三金融事業本部
保険ITサービス事業部
クロスプラットフォーム統括部
保険ネット担当
足利、坂木
TEL:050-5546-9467
E-mail:gwreserve@kits.nttdata.co.jp