KVM仮想化基盤を管理する「Prossione Virtualization® 1.0」のサービス提供を開始

~オープンソース仮想化基盤の管理・運用を容易にし、システム主権確保と長期安定運用の実現へ~

トピックス

2025年7月31日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2025年7月31日よりオープンソースソフトウェア(以下:OSS)であるKernel-based Virtual Machine(以下:KVM)注1を利用した仮想化基盤を管理するサービス「Prossione Virtualization® 1.0(読み:プロッシオーネ バーチャライゼーション、以下:本サービス)注2」の提供を開始します。本サービスに含まれるソフトウェア「Prossione Virtualization Manager™ 1.0注3」は、利用に専門的な知識を多く必要とするKVM仮想化基盤を容易に管理・運用可能にします。具体的には、複数のホストサーバー上に配置されている仮想マシンの状態を一覧で表示する機能、仮想マシンを起動した状態で別のホストサーバーに移動させるライブマイグレーション機能などを提供します。
2026年春頃には仮想マシンの高可用性を実現する機能や他の仮想化基盤からの移行を支援する機能をリリース予定です。さらにNTTデータは本製品の機能拡充を継続的に実施していくとともに、本サービスの提供を通して、お客さまの仮想化基盤におけるシステム主権の確保と長期的な安定運用の実現を目指します。

背景

仮想化基盤の製品市場は急速に変化しており、製品再選定が進んでいます。さらに、経済安全保障の観点からは、自国・自社でコントロール可能なシステムを構築する「システム主権の確保」が重要な課題となっています。この流れの中で、OSSならではの透明性を有し、信頼性にも優れたKVMを利用した仮想化基盤が注目を集めています。一方で、KVMを利用した仮想化基盤の運用・管理には高度な専門スキルが必要であり、システムへの導入障壁となっています。
このような状況下で、NTTデータはOSSサポートサービスを実現する高スキルエンジニアのノウハウとKVMを利用したシステム開発・運用の経験を生かし、「Prossione Virtualization」の提供に向けた取り組みを進めてきました。

「Prossione Virtualization 1.0」のサービス概要

NTTデータは「Prossione Virtualization 1.0」を2025年7月31日より提供開始します。本サービスでは、KVMを利用した仮想化基盤の管理・運用を簡易に行うためのソフトウェア「Prossione Virtualization Manager 1.0」と関連するナレッジおよびサポートを提供します。
サービスメニューとして、「Prossione Virtualizationサブスクリプション」およびAlmaLinux注4OSサポートサービスが同梱された、「Prossione Virtualizationサブスクリプション with AlmaLinux」の2種類を提供します。

サービスメニュー 概要 標準価格(税別) 提供開始時期
Prossione Virtualization
サブスクリプション
  • 製品およびその継続的なアップデートの使用注5
  • ナレッジ・ドキュメントへのアクセス
  • プロダクトサポートへの技術問い合わせ
90万円/年/台注6 2025年7月31日
Prossione Virtualization
サブスクリプション
with AlmaLinux
  • 上記に加えて、AlmaLinux OSサポートサービスが利用可能注7
96万円/年/台注6 2025年秋頃

図1:各サービスメニューの提供範囲

「Prossione Virtualization Manager 1.0」の提供機能

「Prossione Virtualization Manager 1.0」ではWebブラウザー上から仮想マシンおよびホストサーバーを管理するために必要な以下の機能を提供します。

  • 仮想マシン、ホストサーバーの一元管理
    複数のホストサーバー上に配置されている、仮想マシンの状態を一覧にて確認できます。
  • 仮想マシンの電源操作
    仮想マシンの起動および停止を直感的に実行できます。
  • 仮想マシンへの接続
    Webブラウザーの画面上から仮想マシンにリモートアクセスできます。
  • 仮想マシンのホストサーバー間の移動(ライブマイグレーション)
    ホストサーバー上で起動している仮想マシンを別のホストサーバーに移動できます。

図2:Prossione Virtualization Managerの機能の例

図3:ライブマイグレーションの実行操作

今後について

NTTデータは今後も順次製品の機能拡充を実施し、2026年春頃に「Prossione Virtualization 2.0」として仮想マシンの高可用性を実現する機能や他の仮想化基盤からの移行を支援する機能をリリースします。さらにさまざまな企業との連携により、多様な業界へのサービス導入を促進します。これらの活動を通してNTTデータはお客さまのシステムにおける主権の確保と長期的な安定運用の実現を目指します。

参考

注釈

  • 注1 Kernel-based Virtual Machine(KVM)はOSSであるLinuxカーネルに含まれる、サーバー仮想化を実現するためのソフトウェアモジュールです。
  • 注2 「Prossione Virtualization」はKVMを利用した仮想化基盤を管理・運用するためのサービス、および製品群の総称です。
  • 注3 「Prossione Virtualization Manager」はKVMを利用した仮想化基盤を管理・運用するためのソフトウェアであり、「Prossione Virtualization」の一部として提供されます。
  • 注4 AlmaLinuxはオープンソースのLinuxディストリビューションの一つです。
  • 注5 2025年7月31日時点におけるホストサーバーおよび管理サーバーの対応OSはRed Hat Enterprise Linuxです。Red Hat Enterprise Linuxサブスクリプションは別途お客さまにて調達する必要があります。Red Hat Enterprise Linuxは、Red Hat社が開発・提供する、企業向けLinuxディストリビューションです。
  • 注6 KVMが稼働するホストサーバー台数に応じた課金体系となります。ただし、1ホストサーバーの物理コア数(複数ソケット搭載している場合はその合算値)が96コアを超える場合は物理コア数を96で割った値の切り上げ値をホストサーバー台数として換算します。
  • 注7 「Prossione Virtualizationサブスクリプション with AlmaLinux」に同梱されるAlmaLinux OSサポートサービスは、サイバートラスト社による提供となります。
  • 「Prossione Virtualization」は株式会社NTTデータグループの登録商標です。
  • 「Prossione Virtualization Manager」は株式会社NTTデータグループの商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
ソリューション事業本部
クラウド&データセンタ事業部
OSSソリューション統括部
E-mail:prossione-support@hml.nttdata.co.jp