ID統合・ID連携サービス「OpenCanvas IDaaS」をみずほ銀行が導入
~共通IDを用いた各種サービスへのシングルサインオンを実現~
トピックス
2025年7月30日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、企業が抱える複数のID体系注1を統合し、各サービス間でのシングルサインオンを実現するID統合・ID連携サービス「OpenCanvas IDaaS(以下、本サービス)」の提供を開始しました。本サービスは、企業が利用者に展開する複数のサービスにおいて、サービスごとに保有する異なるID体系をサービス共通のID体系(以下、共通ID)1つに統合するサービスです。
本サービスの利用により、企業のデジタル領域における顧客体験(以下、UX)が向上するだけでなく、共通IDを基にサービス間の顧客情報の統合管理を容易にすることで、企業のデータ利活用を促進します。
現時点で株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)へサービスを提供しており、その他の金融機関や法人企業においても、今後提供を開始予定です。NTTデータはシングルサインオンをはじめとする認証・認可機能のサービス提供を通じて、今後も利用いただく企業に対して、IDにひもづく情報を活用した幅広いデジタルマーケティング戦略・施策検討の促進やさらなるセキュリティ強化等のサービスのUX向上に貢献します。
背景
企業ではデジタル戦略の推進に伴い、利用者に提供するデジタルサービスの追加や連携といった提供サービスの拡大が進んでいます。その中で、利用者を特定するID体系がサービスごとに分かれてしまい、サービスごとに利用者の新規登録やログインが必要といった顧客体験の分断により、提供サービス全体のUX低下が生じるようになりました。
さらに、企業内においては認証基盤の増加に伴うコスト増や、ID体系の違いによる顧客情報の活用が困難になる課題を抱えるようになってきています。このような背景を踏まえ、企業のID体系の乱立に関するさまざまな課題解決に向けてNTTグループが持つ既存の資産や体制を活用したID統合・ID連携サービスとしてOpenCanvas IDaaSを開発しました。
サービス概要
OpenCanvas IDaaSは、本サービスが発行する共通のID体系(以下、図の「共通ID」)と企業が既存で抱えている各ID体系をひもづけることでID体系の統合を実現します。これにより、共通ID1つで各サービスの情報をひもづけて集約でき、従来、認証体系やID体系の違いで顧客情報の統合や名寄せが難しく、情報の集約ができなかった課題を改善します。また、利用顧客の理解を深め顧客それぞれに合わせた1to1マーケティングやサービス間の相互利用によるクロスセル注2の拡大を促進し、企業が提供するサービス全体のUX向上に貢献することができます。
みずほ銀行の法人向けトータルプラットフォーム「M’s Palette」では、各種サービス注3を束ねてシームレスなお客さま体験を実現するために、本サービスが採用されています。M’s Paletteは、各種申込・レポート閲覧等がWEB上でいつでも利用できる、オンライン上のみずほ銀行窓口です。
みずほ銀行では、決済・融資契約・明細表閲覧・分析レポート閲覧など、さまざまな法人向けWEBサービスを提供しており、従来お客さまはそれぞれ異なるIDでログインする必要がありました。本サービスを組み込むことで、M’s Palette のID1つでさまざまなサービスへ簡単にログイン、利用が可能となり、お客さまの業務効率化や多様なワークスタイルの実現を後押ししています。

図1:OpenCanvas IDaaS概要
サービスの特長
本サービスの特長は以下の通りです。
(1)実績豊富な認証・認可パッケージの採用
コア機能である認証・認可機能はNTTテクノクロス株式会社が提供する認証パッケージ「TrustBind®」を採用しており、公共・金融・法人分野での100案件以上の認証・認可案件の実績を持ち、さまざまな要件に対する対応力に強みがあります。
(2)高セキュア・高信頼性の運用体制
本サービスの基盤はNTTデータがセキュアに運営するクラウド基盤「OpenCanvas®」です。また、運用・維持体制は全国の金融機関向けに金融サービスを提供している「ANSER®」が提供している24時間365日の体制を活用して、企業のシステム・情報を守ります。それにより、高いセキュリティ水準が求められる金融機関の採用に耐えうる環境・体制・品質を提供します。
(3)要望への柔軟な対応
開発部隊では大規模アジャイル開発フレームワーク「SAFe®」を採用しています。お客さまからの要望に応じた機能追加や個別対応にもアジリティー高くスピーディーに対応可能です。
(4)NTTグループの資産を生かした価格競争力ある料金体系
本サービスはNTTグループが提供する既存のパッケージや、体制を活用することで価格競争力ある料金体系を実現しています。また、国産製品であるため、円ベースの料金体系での提供となり、国外通貨をベースとする国外製品で生じることがある為替変動によるサービス利用料の高騰に懸念なく利用できます。

図2:OpenCanvas IDaaSの特長
今後について
今後、NTTデータは2026年度までに本サービスのセキュリティ機能のさらなる高度化を進めます。具体的には多要素認証機能注4の提供機能としてFIDO2.0注5といった生体認証等の追加を予定しています。これにより、導入企業におけるセキュリティ強化に加え、認証時のUX改善を実現します。NTTデータは今後もシングルサインオンをはじめとする認証・認可機能のサービス提供を通じて、サービスを利用する企業のさらなるセキュリティ強化やIDにひもづく情報を活用した幅広いデジタルマーケティング戦略・施策検討を推進し、サービスのUX向上に貢献します。
注釈
- 注1 ID体系は、対象を一意に識別するための識別子(ID)を体系的に管理する仕組みです。例えば、社員番号や利用者IDなどがこれに該当します。
- 注2 クロスセルは、利用者が検討しているまたは既に購入した商品に関連する商品を顧客に提案することです。
- 注3 各種サービスは、「M’s Palette」とすでに連携済みのサービスです。現時点では、みずほWEB帳票サービス、MIZUHO Membership One、みずほ信用保証協会保証付貸出申込サービス、Mizuho Lite CMSが連携済みです。今後、みずほe-ビジネスサイト、みずほビジネスWEB、みずほ電子契約サービスとの連携を予定しています。
- 注4 多要素認証機能は、パスワードに加えて、スマホやパソコンに送られるコードや指紋認証など複数の認証方法を使うことで、ログインのセキュリティを強化することです。
- 注5 FIDO2.0は、パスワードを用いずにログインや認証を安全に行うための技術です。専用のセキュリティデバイスを使わず、指紋や顔認証といった生体認証またはPINを使い、簡単かつ、安全に自分を証明することができます。これにより、パスワードが盗まれるリスクを減らすことができます。
- 「OpenCanvas」「ANSER」は株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
e-ビジネス事業部
デジタル戦略室(OpenCanvas Atelier)
山本、上田、玉田、横井、武智
E-mail:xgebdigisalespro@kits.nttdata.co.jp